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2009年11月18日 (水)

通帳の数(会社編)

 と、今日は関係のない人には関係のない話。「ふーん」っていう程度を感じて頂ければそれ以上は求めません、という自己満足もいいところの内容です。そんなわけで、経理の話を突き詰めていくシリーズ。

 会社の通帳は多い方がいいか、少ない方がいいか、ということを考えてみましょう、というどうでもいい話です。

 まず、ここで前提として、同一銀行同一支店にある当座預金と普通預金。これは考慮しないことにします。というのも、うちの会社、当座預金がないんで(だからこちらから振り出す小切手も手形もない)、その2つの預金の使い分けって、書いたところであくまで想像の域を出ないので、やめておきます。あくまで普通預金・貯金の通帳ということだけで考えます。

 また、都市銀行などでは、取引先ごとに仮想の口座番号を振り分けて、そこに入金があったらその取引先の掛金を消し込むという方法があるらしいのですが、それも考慮しないことにします。さらにネット専業銀行もよく分からないので考慮しません。あくまで、支店を構える金融機関の本支店の普通預金・貯金口座のみを対象とします。

 あと、純粋な個人の話もしません。これはこれでしても面白いのですが、今日は法人か個人事業だけとします。

 さて、まずは会計事務所の立場から見ると、通帳は少なければ少ない方がいい・・・。もうね、通帳間の動きとか、現金をどの通帳に入れたとか、追っかけていくだけで一仕事なんですよね。もう、通帳間の動きだけで、ごくごく小さな会社の通常の取引量ぐらい発生してしまうところもあったりして。

 もちろん、通帳が多いなら、定型的な動きだけ、というならわかりやすいんです。入金を例えば7つぐらいの通帳で受け入れているとしましょう。そして、支払日の前日に、それらの通帳から一つの通帳に集められて、次の日、一気に支払が行われる。会社の現金の余った分についても、特定の通帳のみに入れられる・・・、なんていう動きだと、通帳が多くてもわかりやすいです。

 その反対で、支払はどの通帳からも行われ、入金もいろいろある。現金はその日によって違う通帳に入るし、支払があると、一つの通帳では足りないので、他の口座から移動がある・・・、なんていう話。実際にある話なんですよね。

 ということで、会計事務所の指導は「通帳を減らしなさい」、「動きは一定にさせなさい」ということになるわけで、入金用と支払用の通帳に分けるなんて、資金繰り表さえ作ればいい話じゃないか、ということにもなり、とにかく、通帳を減らす、という方向になるわけです。

 もちろん、会計事務所に丸投げしている場合は、通帳はできるだけ減らした方がいいと思います。会計事務所に支払う報酬は、明確な基準があるわけでもなく(あるところもあるんかも知れませんが)、交渉の余地のあるものなんですけど、「通帳が少なくてシンプル」というのは、お互いに悪い方向へ進む話じゃありません。

 また、特定の経理担当者がおらず、身内で会計をやっていたりとか、いても多忙な場合、極力減らす方向がよいと思われます。なんせ、あとから見ていて「ありゃ、このお金どこからもって来たんやろう」という話にもなったりしまして、リアルタイムで処理できない場合は、通帳を少なくするか、多くても、資金の動きに変則的なものを作ってはいけません。

 ということで、ここまで書くと、通帳が少ない方がいい、多いのにはメリットがない、という話になってきます。

 そのため、通帳を増やしてメリットがあるのは、リアルタイムで会計処理ができる(単に預金出納帳を記帳するだけではなくて、経理担当者が会計ソフトに入力できて、各預金口座の残高と一致させることができる)というレベルに達している場合に限られると思われます。

 もちろん、上記のように、支払う口座を一つだけにして、月1回の移動だけで済ませる、なんていう方法もありますが、これ、複数の金融機関と取引しているメリットを享受できないこともありまして、あと、ほんとに支払が月1回ならいいんですけどね、ということにもなるわけです。

 そういうことで、とにかく、会計処理はできるんで、通帳を増やす場合のメリットというか、増やしてしまう理由を考えてみましょう。

 まずは、金融機関を増やす場合。

 一つは顧客からの要望ということがあります。もちろん、必ずしも顧客の振込元口座に合わせて、各金融機関を用意する必要がないのですが、例えば、地方都市で商売をしようとしているのに、請求書の振込先を見たら、都市銀行しか並んでいなかった、なんていうことを見ると、これ、多分、首都圏に住む人と、地方に住む人とでは感じ方が違うと思いますが、地方に住んでいると「この会社、ほんとにここで商売をする気持ちがあるんだろうか」と思われることにもなりかねません。

 もちろん、業種によってそのへんは異なると思いますが、その営業地域で営業をする商売の場合は、極力、その地域の金融機関が振込先に並んでいる方が、地方では印象がいいと考えられます。このへんは「地方の閉鎖性」という話にも及びますが、「その地方にある金融機関に口座がないとまともに商売ができない」という話も聞くぐらいですから、本社が首都圏にあって、支店が地方にある場合、場合によってはその地方の金融機関に口座を設けないとダメな場合もあると思います。

 また、先日書きました振込料の負担の話で、「振込料はご負担ください」と書いてあるのに、振込先が一つしかなく、多くの顧客が他行宛の振込料を負担する場合。これで、営業地域の顧客を相手にしている場合は、あまり印象がよくならないということもあると思います。その営業地域で多く使われている金融機関、複数を用意し、なるべく安くなる金融機関を選んでください、というスタンスの方が印象はよくなると考えられます。

 また、業種によっては金融機関そのものが顧客になる場合もあるでしょうし、その他様々な理由で、顧客の求め、あるいは顧客を配慮して、複数の金融機関を利用する必要が生じてくると思われます。

 さらに、金融機関というのは、振込を受けたり、振込をしたりするだけでなく、融資を受けるという、企業にとっては欠かせない役割があります。

 その時々の各金融機関の方針と、その会社の経営状況、あるいは成長、さらに必要な資金の種類によって、複数の金融機関と付き合った方がよい場合もあります。「メインバンク」と「サブバンク」を作れという話もあるように、何かあった場合、複数の金融機関に声を掛けることができる方が心強いと思います。

 そのため、融資を考えて、複数の金融機関と付き合う必要も生じてくるでしょう。

 さらに、振込をする場合、振込手数料がその会社負担とする場合は、あるいはそうせざるをないことが多い場合は、振込手数料が安くなる金融機関を入れておく、あるいは、主な支払先に応じて、複数の金融機関から振り込めるようにしておくことも考えられます。あくまでこれは考えられるというだけであって、そうすることによるメリットデメリットがありますので、それを検討する必要もありますが。

 というところが、付き合う金融機関を増やすという理由・メリットです。

 ただし、借入の金融機関を必ずしも入金口座に指定する必要もない、ということもあります。場合によっては別々にした方がいい場合もあるらしいのですが(内容は省略)、それ以外でも、管理ができない、でも複数の金融機関とお付き合いしたい、という場合はこのパターンも考えられます。ただし、追加の借入をするときの印象はどうなるかは知りませんが・・・。このあたりは話が別になってしまうので、これ以上は書きません。

 また、同一金融機関内、場合によっては同一金融機関の同一支店内で口座を複数持つということも考えられます。

 もちろん、これは昔はメリットよりもデメリットの方が多かったのです。支払は一つの口座からするのに、入金がバラバラになり、必要な都度、窓口に行って資金を移動させる必要があったわけです。

 今はネットバンキングによって、その金融機関にもよりますが、手数料無料で同一名義間の資金移動ができてしまうところもあります。(これね、ほんとバラバラなんで、事前の確認は必要です。支店が違っても無料なところ、同一支店内のみ無料なところ、支店が同じでも有料なところがあります。)

 だから、手数料の問題が解決すれば、純粋に、複数口座があるメリットを享受できるわけです。もちろん、頻繁に動かしていると訳が分からなくなるんで、リアルタイムでの会計処理は必要です。

 これのメリットですが、部門ごと、あるいは支店ごとに売掛(未収)管理が行われている場合。これも一元管理がいい場合もあるんですが、中小企業ではそれが馴染まないこともあり、メリットデメリットを考慮した上で、分散管理している場合。これ、一つの口座に、分散管理している各売掛金(未収金)が入金されると訳が分からなくなります。

 この口座にはこのグループの売掛金(未収金)しか入らない、というように決めておくと、非常に楽なことがあります。

 なお、ある部門には例えばその部門の頭文字を、振込人名の頭につけてもらうとか、請求書番号を振込人名の頭につけてもらう、という方法も考えられます。この方法と、ネットバンキングのデータを使うと、かなり効率的に売掛金の消し込みができるらしいです。

 ただ、これは、ネットバンキングのシステムやATMによっては、振込人名を変えることができないこと、顧客の層によっては、顧客に負担を掛けること(ATMでの振込の場合、振込人名を変える場合とそうでない場合では、負担が大きく異なり、行列を後ろにして、顧客に迷惑を掛けることになる)、また、企業からの振込でも総合振込ではその扱いは難しいなど、実行可能性に疑問が残る方法です。

 なお、口座を増やして、入金管理をやってみて、デメリットが大きいということも考えられ、場合によってはやはり、入金口座は一本化してしまった、ということも予想されます。継続的な顧客への配慮も必要かと思います。単発の顧客が多い部門なら試してみてやはりダメだった、じゃあやめようということもできるのですが、継続的な顧客が多い場合は、試してみる場合でも慎重な判断が必要です。

 このように、複数金融機関×同一金融機関内の複数口座、となると、通帳数がすごいことになることも想定されますが、リアルタイムで会計処理ができる場合、シンプルに通帳を減らすよりもメリットが生じる場合がある、ということです。

 通帳の数をどうするか、ということには、会計事務所の指導による、会計処理を外から見る視点だけでなく、中で管理する、あるいは資金調達の戦略上、顧客の視点、支払先への振込の視点があり、それぞれを考慮した上で、利用可能な、あるいは管理可能な体制を検討する必要があると言えるでしょう。

 要は「通帳を減らした方がいい」というのはもっともな話で、減らすメリットも多いけど、逆に管理さえできるなら増やすメリットもありますよ、また、昔ほど通帳間の動きって手間じゃなくなっていますよ、ということでした。

 って、やっぱり関係のない人にはどうでもいい話でした。しかもうちの会社の場合どうしているかって、ひと言も書いていないんですよね(笑)。

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